映画版BLAME!、超糞脚本でした

なんかレビューサイト見るとなんか評判良いよね。

私は駄目だったけど。

まぁ、美術は良かったよ。
女性キャラがやたら胸を強調するデザインになってて違和感あったけど。
引きの絵になるとBLAME!感が出ててよかった。

でもストーリーやら演出やらが最悪だった。
と言っても私個人が求めているBLAME!に対して物凄いミスマッチだった、というだけの話なわけですけど。
具体的な点を挙げると、「日本アニメによく見られるストーリーや演出がテンプレ的に適用されていた」という点に尽きる。
そういうのに違和感を感じない人は気持ちよく見れるんでしょうね。

例えば霧亥が、そこら辺の人を助けて村に招き入れられるじゃないですか。
すると、その後「おいこいつ誰だよ」「信用できるのか」みたいな村人同士のやり取りが何度も何度も何度もあります。
私にとっては、この手のテンプレなやり取りは全て糞要素にしか感じられませんでした。無駄。
原作にはそんなくだらないシーン殆どないのに。

初期の二瓶作品に出てくる村人ってだいたい皆優しいんですよね。
だから人情ストーリーなんてほとんど生まれない。そこが良い。
私にとっては、BLAME!の魅力って少なくともストーリーにはあまりないんですよ。
ギレルモ・デル・トロ監督も弐瓶勉の画集か何かで「言葉が読めなくてもBLAME!は魅力的だ」的なことを言ってましたけど。

映画は二時間ありますけど、基本的に一つの村の周辺でのお話です。
「10年待ったのよ」「最低800時間です」のような心躍る展開は存在しません。
珪素生物も出てきません。もちろんサナカンは出てきますけど。
敵は駆除系だけです。
建設者も静止画です。
シャキサクは出てきますが、シャキサクしてません。
登場人物は皆長々と自分語りします。 大体が「私悲しいよ」で済みます。無駄に間を取るのでクッソテンポ悪いです。長くとも2コマで済ませろ。
あと泣きます。
とっても人情深いです。
プリキュアでやれ。

その他テンプレ(例に関しては物凄いうろ覚え。):

  • 一人キャラクターが喋ると、別のキャラクターがその内容を繰り返す。
    • 例: 「貴様はセーフガードの素体だ」「素体…」
  • キャラクターが喋ると、別のキャラクターがそいつの名前を紹介してくれる。
    • 例: 「よし、霧亥をそこまで連れて行け」「おやっさん…」
  • キャラクターが何かを発見すると、何を発見したのか必ずつぶやいてくれる。
  • 喋る前などの謎の喘ぎ声(「んっ…」「あっ…」等)
  • 戦闘ものに有りがちな薄っぺらい豆腐メンタル要員
    • 好きな人が死ぬとそいつの名前を繰り返しつぶやく
    • 「〇〇が死ぬはずない!」から「しっかりしなさい!」って活を入れられる一連の流れ。
  • 終始「こんなやつ信用できんのかよ」「理屈はわかるけど、どうにも信用できねぇんだよな」しか言わないピエロ
    • たまに舌打ちもする。
  • 探しものをしている主人公、物分りの良い長老、血気盛んで主人公に反感を持ってる若頭、しっかり者の女の子、とそこらじゅうで見るミーティング風景。
    • このキャラ紹介だけでミーティング風景がありありと想像できる。そしてそれをそのままなぞるだけの糞脚本。

「こんな村、開始30分で焼き払って話進めましょうよサナカン先生」って感想しか湧いてこなかった。
プセルの無慈悲さを見たかった。
望遠鏡を覗いてるだけの無害な珪素生物をぶち殺す霧亥が見たかった。
巨乳で可愛くて親友のピンチには無我夢中で駆けつけるような糞みたいな女の子に涙を流される霧亥なんてみたくなかった。

おしまい。