ITエンジニアは意外と淘汰されない。

エンジニアプライベート勉強問題は半年から一年くらいの周期で大きく取り上げられ、毎回炎上する。

そして最近また炎上している。

axia.co.jp

毎回炎上を見て楽しむだけなんだけど、今回は自分の近況と微妙に重なるところがあったので記事を書いてみることにした。

 

言いたいことは、

「何も言わなくてもプライベートで勝手に勉強してくれるエンジニアがそこら中にいるので、そうでないエンジニアは淘汰されても仕方ないよね」

でおしまいなんだけど。

 

以下、ぐだぐだとなんか言う。

 

まず、炎上した記事は半分ウソ入ってると思うので真に受けてはいない。

Aさんも伸び悩むというか、周りのエンジニア達にどんどん後れを取る状況に悩むようになり、ある日相談を受けました。どうしたらAさん自身も周りのエンジニアのように成長できるのかと。

そこで私は「成長したかったら勉強するしかないんじゃないか?」と普通のことを言いました。するとAさんは、絶対にプライベートで勉強はしたくない、プライベートで勉強することは人生の無駄遣いでしかないと反論してきました。

何度も言うように、プライベートで勉強しないことについて私は何の反論もありません。ただしその結果については自分で責任を持ってねというだけの話です。

Aさんの要求は、プライベートでは勉強したくない、でもプライベートで勉強している他のエンジニアと同じように成長したいということだったと思われますが、正直こんなこと私に一体どうしろというのか。

Aさん支離滅裂すぎないか。病んでないか。または頭悪すぎないか。

何かしら間に何かあったものを省いてるでしょ。

仮にAさんがこの通りの人間だったなら、採用過程に全責任があるよね。

 

で本題に戻るんだけど、この業界は勉強が好きな人が多い。

勉強会も活発に開かれてるし、プライベートで勉強を続けている、というのは面接で大きなアピールポイントになる。

大きな影響力を持つオープンソースプロジェクトだって、発端は「俺の考えた最強の〇〇」を個人が趣味で実装してみた事だったりする。

職人や実験科学者やらとは違い、パソコンさえあれば誰でも参入できる分野である以上、プライベートの活動が個人の評価につながるのはごく自然な成り行きだと思う。

(ちなみに数学者は寝ても覚めても一つの問題を考え続けると昔のNHKの番組で聞いた。プライベートで勉強しない数学者はどの程度いるのだろう。)

 

パソコンが大学や会社にしかない時代が続いていれば、プライベートでの勉強など求められなかっただろう。

でも残念ながら現実はそうなってはいない。

 

一方でIT人材の需要は高い。

プライベートで勉強するかどうか関係なく、とりあえず頭数が欲しい、という声は多い。

そういった「頭数が欲しい」領域では、頭数を揃えるために有無を言わさず教育が施されるだろう。そうしないと何も進まないのだから。

で、「頭数が欲しい」にもかかわらず、プライベートで勉強しろ、というのは筋が通らない。それでは何も進まない。何もできない。

 

IT業界には「高度な能力を持つ人間が欲しい」という声と、「頭数が欲しい」という声がそれぞれあり、人によって聞こえる声が違うのだろう。

自分の能力を売る人間はプライベートで勉強するべきだし、そうでない人間がプライベートで勉強する必要は全く無い。

ただ、自発的に勉強できる人間がうようよいる業界で、そうでない人間がいつまでも良い評価を受け続ける保証はないよね共産主義じゃあるまいし。

 

とは言っても、少なくとも私の周りでそんな淘汰は観測されてない。

プライベートで全く勉強しないのは当たり前で、それどころか言われたことを全部無視してゴミみたいなコードを平気でコミットする(これは知識でなく知能の問題だけど)奴でも、普通に昇進してる。

プライベートな勉強は業務と無関係だったりするので、昇進と関係ないのは当たり前っちゃ当たり前だけど。

 

で、最初の言葉を繰り返すけど、

「何も言わなくてもプライベートで勝手に勉強してくれるエンジニアがそこら中にいるので、そうでないエンジニアは淘汰されても仕方ないよね」

この言葉は、私のいる環境において予測される長期的な傾向を私の感覚で汲み取って主語をでかくしたものになる。

淘汰される、というのは「クビになる」という意味より、「会社ごと潰れる」という意味合いのほうが大きいかもしれない。

 

少なくとも私の周りでは、短期的に見ればこれは成り立たない。

長期的に実際どうなのかって言うと、明言するためには統計的データが必要なので誰か頑張って取ってくれ。